Believe, even if you're the only one

ただただ趣味や日常を書き綴る雑多なブログ

キャリアを積むということ

大学時代、ライフネット生命社長の岩瀬大輔さんの講演を聞いたことがある。その時に聞いて今でも忘れられない言葉がある。

「人生は大陸を横断する旅に似ている。大陸を横断するのは、歩いても、車を使っても、鉄道を使っても、飛行機を使っても構わない。昔はいかに早く、遠く、飛行機を使って横断することに価値があると思っていたけど、今はゆっくり歩いてその景色を楽しみたい」

そのようなことを言っていた。今の自分はそんなことを言える境地に立っているわけではないが、もう30歳も近いので自分のこれからの人生やキャリアや生き方を考えないといけないし、岩瀬さんが言っている「いかに早く、遠く」という言葉には、すごく共感を感じたものだ。

負けず嫌いで競争社会で生きてきたからか、どうしても「もっと上へ」「もっと遠くへ」「もっと早く」という思いが頭から離れない。少しでも自分が遠回りしているようものなら、全力で自己肯定を繰り返し、少しでも先を歩んでる人がいるなら、いかにしてそのギャップを埋めるかに無駄な皮算用をして。

そんな生き方が苦しくて、そうやって生きてしまうのが辛くなる時もある。でも自分ってそういうものだからと、いつまで経ってももその生き方は変わらない。

頭ではわかってる。自分が幸せであればそれで何も問題ないし、誰かと競うことが幸せにつながることでもないし、少しでも若く、少しでも早く自分の見たい世界に辿り着くことに何の意味があるのかもわからない。

最近は「どうやってキャリアを積んでいこうかな」なんて、答えのないことがずっと頭をぐるぐるまわっている。ずーっと考え続けては自分で「よし」って思って肯定しては、次の日には周りの人がきになって、また自分の道の正当性を裏付ける、みたいなしょうもない作業を繰り返す。そこには答えなんかないし、誰にも求められてないのにずっとそればっかりに固執している。

だからこそ岩瀬さんがいっている「歩いて横断」という考え方が大事なのかもしれない。自分でしか経験することのできない唯一無二の人生を、歩いて楽しむ。全ての過程を、全ての景色を楽しむ。そう思えるようになったらきっと人生はもっと幸せになるんだろうなって。

人生って、実はもっとのんびりしてもいいのかもしれない。迷ってもいいのかもしれない。歩いてもいいのかもしれない。そうやって自分を許すことから始めないといけないのかもしれない。

日々何気ない日常を大切にして、自分の好きなものを好きでいて、自分が愛したいものを愛して、小さな感謝を忘れずに、謙虚に、素直に、誠実に、そして自分の目標に向かって努力を積み重ねる。その歩みが遅くてもいいのだろう。

そうやって自分が見据える未来に向かって、一歩ずつ一歩ずつ歩んでいくことが大切なんだろうな。

何気なく過ごしているとあっという間に過ぎてしまう人生。でも、「こうありたいんだ」っていう思いをもって生きていると、またきっと違う世界が見えるはず。自分がどこを、どうやって、どのスピードで歩いているのかさえ分かっていれば、必ず自分の見たい景色に辿り着けるはず。

そんな自分の将来について、キャリアについて考えた週末。