中国では我慢した会社が勝つ
日経ビジネスの今週の名言。だが、名言というには少しずさんな見解であり、我慢を信じていても勝てるわけではないというのが一般的な意見ではないだろうか。
上海ハウス食品と言う会社が中国でカレービジネスを展開するにあたって、10年以上我慢を強いられ最終的に黒字に転じたという話だが、そもそも「我慢したら勝つ」というのは明らかに回答としては薄すぎるし、10年間指をくわえてたのですか、という話になる。
そうではなくて、その10年間の背景に、どのようなPDCAがあり、どのようなチャレンジがあり、どのような苦境を乗り越えたのかという話がなければ、「我慢した会社が勝つ」というストーリーは言葉だけが上滑りしている。
赤字が続いても撤退しなかった理由は何だったのか、1990年代で今より情報を収集も分析もできていなかった時代に、どのようなマーケティングや戦略のもとビジネスを展開していたのか、そこにストーリーがなければ、「我慢すれば勝つ」なんて言葉には何の価値も生まれない。
メッセージの一つに、「お米を食べる国ならカレーライスは受け入れられる。トップを含めてみんなでそう信じて我慢の時を経たからこそ、市場を切り開けた」とあるが、このレベル感の発言など小学生でもできる。どこに確証があって信じることができたのか、逆に米を食べない国には流行らないのか?むしろ米を食べる国でもカレーが流行ってない国もあるぞ?とか、いろんな「?」が生まれる。
遠慮なく書きすぎたけど(笑)、今の時代「我慢すれば勝てる」という言葉にすごく違和感を感じるし、昔のどこかの体育会系の部活で唱えられていた「練習中に水を飲んだら強くなれない」と同じ理論じゃないか。
このレベル感で記事として纏まっているいるようでは、おちおちビジネス誌も読んでいられないわ。